日本東洋医学雑誌
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「胸脇苦満」に対する生化学的・精神医学的アプローチ
山田 和男神庭 重信大西 公夫水島 広子力石 千香代福澤 素子村田 高明寺師 睦宗浅井 昌弘
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キーワード: 胸脇苦満, 生化学的検査
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2001 年 52 巻 1 号 p. 17-24

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抄録

現代医学的な血液生化学検査や精神症状評価などの結果より,「胸脇苦満」を分析しようと試みた。
120例 (男性23例, 女性97例, 平均年齢42.4±16.2歳) を対象として, 胸脇苦満の程度と有無の評価, 血液生化学検査, Zung の Self Depression Scale (SDS), the Subjective Well-being Inventory (SUBI) を行った。
93例 (77.5%) において, 左右いずれかもしくは左右ともに胸脇苦満を認めた。右側の胸脇苦満の「有」群と「無」群との間では, 血中クレアチニン値とSUBIの因子11 (人生に対する失望感) とで有意差を認めた。また, 左側の胸脇苦満の「有」群と「無」群との問では, SUBIの因子9 (身体的不健康感) と因子11とで有意差を認めた。
以上の結果より, 強いストレッサー下にある症例ほど胸脇苦満を呈しやすいという結果が導き出された。

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