感染症学雑誌
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総説
アシネトバクター感染症
平潟 洋一
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2011 年 85 巻 4 号 p. 340-346

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抄録

グラム陰性ブドウ糖非発酵性のアシネトバクターは,自然環境や,健常人および免役能低下患者の皮膚や腸管などから分離され,血流感染症や院内肺炎などの原因となる場合がある.アシネトバクターにおける“多剤耐性”の定義には国際的なものがないが,わが国では imipenem,amikacin,そして ciprofloxacin の MIC が各々 16μg/mL 以上,32μg/mL 以上,4μg/mL 以上が届出基準となっている.欧米やアジアなどの海外諸国ではアシネトバクターによるアウトブレイクは頻繁に見られるが,国内では現在のところ,2 例のみである.今後,アシネトバクターによるアウトブレイクや薬剤耐性菌の増加に厳重に注意する必要がある.

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© 2011 社団法人 日本感染症学会
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