1984 年 58 巻 7 号 p. 583-589
間接蛍光抗体法によるつつが虫病患者の血清診断に, 宮崎地方の弱毒分離株2株 (入江, 平野) の抗原を用い, 以下の成績をえた.
急性期血清は入江又は平野抗原に対して標準株よりも高い抗体価を示し, また早期から検出されるので, 診断上有用であった.
感染リケッチアの血清型の判定は入江, 平野両株に対する抗体価を比較すると容易であった. 抗原株による抗体価の差異は回復期血清では若干不明瞭となったが, 罹患後0.5-3.5年で抗体価が低下した血清では, 入江, 平野株への抗体価が高く, 長期間の経過観察にも適していることが示唆された.
これらの抗体価とIgクラスの関連は認められなかった.