感染症学雑誌
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小児気管支喘息における溶レン菌T抗原に対するin vitroリンパ球幼若化反応の検討
滝沢 慶彦高瀬 愛子冨沢 功
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1985 年 59 巻 9 号 p. 846-851

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抄録

小児気管支喘息 (以下喘息) 患者について, 6種類の溶レン菌T抗原に対する末梢リンパ球反応を微量全血培養法によるin vitroリンパ球幼若化 (LTF) 反応を用いて検討した.結果は3H-thymidineuptakeをcount per minute (cpm) またはstimulation index (SI) で示した.抗原非添加の対照培養血でのcpmは喘息患者 (74.9±28.0) と正常小児 (83.5±43.3) との間に統計学的有意差は認められなかった.しかし, 各T抗原に対するLTF反応では喘息患者では全体的に高い反応を示す傾向にあり, 特にT4, T6, T12に対しては高値を示していた.さらに, T8やT22のような希少菌型の抗原に対しても有意に高い陽性 (SI≧3.0) 率を示していた (p<0.01).これらの溶レン菌T抗原に対するLTF反応には, 特異的反応に一部に非特異的反応が加わっていることが推測されたが, 喘息とT抗原との関連性を強く示唆するものと思われた.

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