感染症学雑誌
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我国の医療機関で臨床材料から分離されたB群レンサ球菌の血清型別分布 (1977~1983)
奥山 雄介大島 まり子
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1985 年 59 巻 9 号 p. 943-950

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抄録

近年, B群レンサ球菌は新生児敗血症及び髄膜炎の起因菌として問題になっている.
今回, 我国の医療機関で1977年から1983年までに臨床材料から分離されたB群レンサ球菌 (B群菌) 1,944株 (件) について, 分離菌の患者年齢・性別, 臨床材料別及び血清型別分布等を検討した.その結果は次のとおりである.
1) B群菌が分離された患者年齢分布;年齢の明瞭な1,233件の各年齢別分布は, 0歳3.9%, 1~5歳6, 9%, 6~10歳6, 9%, 11~20歳9.9%, 21~30歳16.5%, 31~40歳18.2%, 41~50歳14.6%, 51~60歳8.0%, 61~70歳5.7%, 71歳以上9.3%であった.
2) B群菌が分離された患者性別分布;性別の明瞭な1.694件の性別分布は, 男547件 (32.3%), 女1.147件 (67.7%) であった.
3) 臨床材料由来;臨床材料の由来の明瞭な1.850件の材料別分離状況は, 尿36.5%, 咽頭粘液31.4%, 膣分泌物17%, 喀痰4.2%, 膿3.6%, 精液1.8%, 髄液1.2%, 血液1.1%及びその他3.3%であった.
4) 血清型別分布;1,944株全ての菌型分布は, Ia型28%, Ib型11%, Ic型15%, II型4%, III型24%, IIIR型9%, R型3%及び型別不明7%であった.また, 新生児敗血症及び髄膜炎から分離された14株中13株 (93%) がIII型及びIIIR型 (III型11株, IIIR型2株) であった.

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