感染症学雑誌
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小学校におけるMycoplasma pneumoniaeによる上気道感染症の集団発生
金本 康生妹尾 正登
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1989 年 63 巻 12 号 p. 1291-1295

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抄録

1987年6月中旬から8.月にかけて, 広島県内の某小学校でMycoplasma pneumoniaeによる上気道炎の集団発生が認められた. 全児童68名中40名 (59%) に何らかの気道感染症の症状が認められ, そのうち肺炎で入院した児童は10名であった.
検体採取が可能であった児童31名中24名 (77%) がM. pneumoniaeによる感染症であると確認された. これらの患者の大部分は咳, 発熱を主徴とする上気道炎患者であり, その他に肺炎2例, 上気道炎に合併した中耳炎が1例に認められた. このたびM. pneumoniaeの分離に用いたPPLO液体培地, SP-4液体培地及び重層培地のうちでは, SP-4液体培地での分離率が最も高かった.

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