感染症学雑誌
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キノロン系抗菌剤DR-3355の感染性腸炎起因菌臨床分離株に対する試験管内抗菌力
堀内 三吉稲垣 好雄山本 直樹小川 正之中谷 林太郎
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1992 年 66 巻 1 号 p. 51-58

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抄録

開発中のキノロン系抗菌剤DR-3355の臨床試験における感染性腸炎患者から分離されたShigelkz spp.94株, Salmonella spp.36株, Viibrio spp.27株, Campylobacter jejuni19株, Escherichia coli 5株に対する最小発育阻止濃度 (MIC) を測定しonoxacin (OFLX), ciprofloxacin (CPFX), nalidixic acid (NA), ampicillin (ABPC), kanamycin (KM) などのMICと比較した.90%の菌株の発育を抑制するDR-3355のMIC (MIC90) は, Shigella spp., およびEcoliに対しては0.05μg/ml, Salmonella spp.に対しては0.10μg/ml, V.cholemeおよびV.parahaemolyticusに対してはそれぞれ0.025μg/ml, 0.39μg/ml, C.jejuniに対しては0.78μg/mlであった.これらの値を他のキノロン系抗菌剤のMIC90と比較するとC.jejuniの場合を除いてはDR-3355はCPFXのMIC90の2倍, OFLXのそれの1/2の値であった.C.jejuniに対してはDR-3355, 0FLX, CPFXのMIC90はいずれも0.78μg/mlであった.感染性腸炎起因菌に対するDR-3355のMIC90をNA, ABPC, KMのそれと比較すると, Vibrio spp.の場合を除いてはおおむねそれらの薬剤のMICの30から60倍低かった.

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