感染症学雑誌
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Helicobacter pyloriが産生するウレアーゼの免疫学的特異性とラテックス凝集反応による本菌の同定
新垣 正夫甲斐 明美伊藤 武平田 一郎
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1993 年 67 巻 11 号 p. 1076-1082

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抄録

Helicobacter pyloriのウレアーゼを免疫学的な手段により検出する方法を開発するため, 本菌のウレアーゼの精製を行った.H.Pylori NCTC11638株の菌体をフレンチプレスで破壊し, 菌体成分を除去した上清液から, 各種のクロマトグラフィーにより精製したウレアーゼはpolyacrylamide gel disc electrophoresisにより単一なバンドが得られた.さらに精製したウレアーゼを家兎に免疫して作成した抗ウレアーゼ血清はH.pyloriのウレアーゼと反応し, Yersinia enterocoliticaのウレアーゼとは反応しなかった.本抗血清からアフィニティークロマトグラフィーによりIgG画分を精製し, ラテックス粒子に感作させた.本感作ラテックスはH.pyloriの精製ウレアーゼおよび.H.pylori 55菌株のウレアーゼと明瞭に凝集反応したが, H.mustelaeのウレアーゼとは反応しなかったし, ウレアーゼを産生する“Carnpylobacter lari variants”とも反応しなかった.さらに本感作ラテックスはProteus mirabilis, P.vulgariS, P.rettgeri, Y.enterocoliticaのそれぞれのウレアーゼとも反応しなかった.著者らはH.pyloriの産生するウレアーゼの免疫学的な特異性を指摘するとともに, ラテックス凝集反応によりH.pyloriを簡易に同定できることを明らかにした.

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© 日本感染症学会
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