感染症学雑誌
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Polymerase Chain Reaction法を用いたChlamydia pneumoniaeの検出における基礎的検討
川山 智隆本田 順一時澤 史郎横山 俊伸市川 洋一郎大泉 耕太郎
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1993 年 67 巻 4 号 p. 299-304

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抄録

Polymerase chain reaction (PCR) 法による Chlamydia pneumoniae (C. pneumoniae) のDNAの検出を行った. プライマーをC. pnenmoniaeのAR-39株の主要外膜蛋白をコードする塩基配列内の174basepair (bp) を特異的に増幅するように作成した。このプライマーを用いたPCR法で, C. pnenmoniae株であるAR-39, TW-183, AR-388株のDNAは174bpの部位に増幅された。 Chlamydia psittaciChlamydia trachomatisや他の細菌は増幅されなかった。このPCR法の検出限界は, 1.0×10-3inclusion-forming unitsであった。我々のPCR法は非常に高い感度と特異性があると思われた。本法の最適条件はdenaturation 94℃1分, annealing 47℃30秒, extension 72℃1分で30cycleとした。よって検出までの時間は1日で可能であった。従って, 今後この方法によるC. Pneumoniaeの検出はC. Pneumoniae感染症の迅速診断に有用であるばかりでなく, その感染症の実態究明にも有用であると思われた。

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