感染症学雑誌
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小児科病棟に入院した児における入院時の鼻咽頭からのMethicillin resistant Staphylococcus aureus (MRSA) の検出状況
坂田 宏平野 至規丸山 静男
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1994 年 68 巻 6 号 p. 740-743

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抄録

当院小児科病棟において1992年に843名のべ1,143回, 1993年に822名のべ1,170回, 入院時に鼻咽頭の細菌培養を行った. Methicillin resistant Staphylococcus aureuss (MRSA) が検出された児は1992年は14名のべ15回, 1993年も14名から検出された. MRSA分離率は1992年が15検体 (1.3%), 1993年が14検体 (1.2%) であり, 検出されたS. aureusに占める比率も137検体中15検体 (10.9%), 134検体中14検体 (11.3%) とほぼ同じであった. MRSAが検出された28名は年齢をみるとすべて10歳未満の児であり, 生後6ヵ月未満の児が10名と乳幼児に多かった. 喘息や未熟児出身の患者が多く, 基礎疾患がみられなかった児は10名であった. 検査する6ヵ月以内に入院した既往を有する児は14名であった. 1歳未満の児や気道の感染抵抗性が低下している児にMRSA検出率が高く, 今後市中感染におけるMRSAの増加に注意が必要である.

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