感染症学雑誌
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乳児の鼻咽頭細菌叢とHaemophilus influenzae type b保菌率
旭 悦子岡田 賢司植田 浩司
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1997 年 71 巻 3 号 p. 236-240

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抄録

乳児健診児144名を対象に鼻咽頭細菌叢を調べ, さらにHaemophilus influenzae type bの保菌率を検討した. 144名のうち1生月児44名, 4-5生月児96名, 7-8生月児84名から鼻咽頭スワブ224検体を採取し, 培養を行い, 440株が分離同定された.
各月齢群別の検出率の高い菌種は, 1生月児群ではStaphylococcus auyeus (45.5%),Corynebacteriurn (38.6%) であり, 4-5生月児群では,Corynebacteriurn (55.2%),S.aureus (32.3%),Streptococcus pneurnoniae (25.0%) であり, 7-8生月児群ではCorynebacterium (59.5%), S.pneumoniae (26.2%) であった.
H.influenzaeは1生月児群で1株, 4-5生月児群で9株, 7-8生月児群で14株, 計24株が21名より分離され, このうちtype bは4株で1生月児から1株, 4-5生月児にはなく, 7-8生月児 (この内1名は1生月時にも分離された) から3株分離された.H.znfluenzaeの乳児の鼻咽頭保菌率は, 10.7%であり, 月齢群別では1生月児群で2.3%, 4-5生月児群で9.4%, 7-8生月児群で16.7%であり, Hibの保菌率は乳児で1.8%であり, 月齢群別ではそれぞれ2.3%, 0%, 3.6%であった.

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