感染症学雑誌
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老人ホームにおける高齢者ウイルス感染の検討
山腰 雅宏鈴木 幹三中北 隆後藤 則子中村 敦山田 保夫
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1998 年 72 巻 9 号 p. 876-882

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抄録

この研究の目的は, どのようなウイルスが老人ホーム内に浸潤し, そのウイルスによって高齢者がどのような臨床症状を示すのかを調査することであり, また老人ホーム内でのウイルスの流行と市中での流行を比較することであった.1994年7月から1995年6月までの1年間で, 特別養護老人ホームに入所中の40名の高齢者について, 臨床症状, 血清ウイルス抗体価, およびウイルス培養により検討を行った.エンテロウイルスおよびヘルペス1型ウイルスは症状のない高齢者から分離され, 病原性を示さなかった.一方血清学的に診断されたインフルエンザBおよびRSV感染者は, 臨床症状を示した.インフルエンザとエンテロウイルスの老人ホーム内での流行は, 市中の流行と関係していた.呼吸器ウイルスは市中から老人ホームの入所者へ持ち込まれていることが示唆された.

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© 日本感染症学会
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