感染症学雑誌
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1989年-1998年に日本国内で検出されたNorwalk-like viruses (NLVs) の遺伝的特徴および統一プライマーの検討
山崎 謙治大山 徹宇田川 悦子川本 尋義
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2000 年 74 巻 5 号 p. 470-475

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抄録

1989年から1998年の間に北海道から沖縄までの広範囲な地域で得られた検体から, さまざまなプライマーペアを用いたreverse tanscription-PCR法により902株のNorwalk-like viruses (NLVs) が検出された.そのうち塩基配列が明らかであった177株は遺伝子な多様性が認められたが, 153株 (86%) はgenogroup II (GII) に属するNLVsであった. アミノ酸配列の91%以上の相同性をもとに, GIIはG2 A-G2Eまでの5つのサブグループに分類することができた. G2C, G2D (これらをJP1と命名) およびG2E (JP2と命名) は日本でも検出される頻度は高くない (検出率17%) が, 海外諸国ではほとんど検出されないNLVsの新しいサブグループであった. これらのNLVsの多重アライメントを基にして作成した3対の新しい統一プライマーペア (P1/P2, P1/P3およびY1/Y2) はいずれもNLVsのGIおよびGIIを効率よく増幅した.

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© 日本感染症学会
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