肝臓
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症例報告
Vp4肝細胞癌の肺・脳転移に対し集学的治療により著効が得られた1例
寒原 芳浩吉川 卓郎土田 忍上野 公彦岩崎 寿光中村 毅廣畑 成也埴岡 啓介深水 眞知子
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2008 年 49 巻 7 号 p. 320-326

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抄録
症例は66歳の男性.門脈本幹に腫瘍栓の進展を認める肝細胞癌に対してlow dose FP動注療法を行いCRが得られた.以後外来にて5-Fu 750 mgの動注治療を1年4カ月にわたり継続した.治療開始2年後に両側の多発性肺転移・単発脳転移を認めた.QOLを考慮し脳の転移巣を切除し,5-Fuを基本とした全身化学療法(CDDPおよびEPIを併用)を行なうも効果は得られなかった.肺転移の増悪のため化学療法をすべて中止し,十全大補湯(TJ-48)の投与を開始した.十全大補湯投与開始5カ月後に血清AFPおよびPIVKAIIは正常値になり,肺転移巣は痕跡となり,CRを2年維持している.肺転移は化学療法終了時増悪傾向を呈しており,その治癒には十全大補湯が強く関与していると考えられた.文献的考察を加え報告する.
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© 2008 一般社団法人 日本肝臓学会
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