我が国の肝炎対策では,地域の診療ネットワークの整備や医療費の助成制度の拡充とともに,肝炎診療に携わる医療スタッフの育成やチーム医療の強化・整備も基本的な施策としてあげている.当院において,インターフェロン治療にかかる診療ネットワークの構築を目的にパスシートを導入したところ,その運用をきっかけにチーム医療が展開された.当院の取り組みは,国の肝炎対策が一般病院の肝炎診療に変革をもたらしうることを示していると考えられた.今後地域内での肝疾患診療を充実させるためには,チーム医療が多施設で展開されることが重要であり,そのためには医療スタッフへの認定制度や面談・指導に対する診療加算の導入が期待される.