肝臓
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53 巻 , 5 号
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原著
症例報告
  • 小坂 久, 黒田 暢一, 中井 紀博, 大橋 浩一郎, 鈴村 和大, 飯室 勇二, 小田 義直, 廣田 誠一, 藤元 治朗
    2012 年 53 巻 5 号 p. 272-277
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/06
    ジャーナル フリー
    炎症性筋線維芽細胞腫瘍(Inflammatory myofibroblastic tumor;IMT)は,筋線維芽細胞様の紡錘形細胞の増殖からなり,リンパ球や形質細胞などの炎症細胞浸潤を伴う腫瘍で,局所再発傾向を示すが,遠隔転移は稀である.肺を中心に全身に発生するものの肝原発IMTは極めて稀であり,検索し得た範囲では英文で13例の報告を認めるのみであった.肝原発IMTには特徴的な症状や画像所見が無く,病理診断の難易度も高い.治療法は外科的切除が第一選択であり化学療法,分子標的治療法などは未確立である.自験例は肝左葉腫瘍に対し,診断及び治療目的で肝左葉切除術が施行され,切除標本からIMTと診断された.術後7カ月で肝切除断端再発及び肺転移をきたし,肝・肺転移巣それぞれを再度外科的に切除するも再切除後12カ月で腫瘍の増大に伴う閉塞性黄疸から肝不全となり死亡した.診断,治療ともに困難な稀少例を経験したので文献的考察を加え報告する.
  • 武部 敦志, 豊川 晃弘, 高瀬 至郎, 高橋 毅, 若原 智之, 荻巣 恭平, 阿南 隆洋, 稲垣 恭和, 菅原 淳, 向井 秀一, 寺村 ...
    2012 年 53 巻 5 号 p. 278-283
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/06
    ジャーナル フリー
    症例は73歳男性,S4,S8の径4 cm,1.2 cmの肝細胞癌に対して肝S4部分切除術,S8ラジオ波焼灼術を施行した(高~中分化型肝細胞癌,vp1,vv0,va0,b1,sm-).術後1年で閉塞性黄疸を発症,逆行性胆道造影検査にて総胆管内に凝血塊を伴う腫瘍栓の脱落を認めたが,腹部CT,MRIでは肝実質内に腫瘍性病変を認めなかった.再発胆管内腫瘍栓および胆道出血による胆管閉塞と術前診断し再肝切除を行った.手術は腫瘍栓が切除側に含まれることを確認し,左肝切除術をおこなった.病理組織検査でも実質内に腫瘍を認めず腫瘍栓のみの再発と診断した.胆管内腫瘍栓の再発機序は不明だが,微小胆管浸潤の残存や脱落腫瘍栓の着床などが想定された.腫瘍栓単独再発は病理組織的胆管浸潤例の再発形式として念頭に置く必要があり,初回手術において詳細な術前精査と愛護的な術中操作に基づいた系統的切除を積極的に考慮すべきことが示唆された.
  • 松浦 知香, 小林 佐和子, 大谷 香織, 吉田 香奈子, 寺西 優雅, 遠山 まどか, 萩原 淳司, 川村 悦史, 藤井 英樹, 岩井 秀 ...
    2012 年 53 巻 5 号 p. 284-290
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/06
    ジャーナル フリー
    症例は69歳,男性.C型肝硬変・肝細胞癌(HCC)に対する治療を繰り返していたが,増悪したため,ミリプラチン動注療法目的で入院となった.第0病日,HCCに対してミリプラチン動注療法(計102 mg)を施行した.第8病日頃より,咳嗽・喀痰が出現し,第17病日の胸部CTでは両側肺野のびまん性擦りガラス状陰影を認めた.PaO2 53 Torrと著明な低酸素血症を認め,急性呼吸不全にて人工呼吸器管理とし,ステロイドパルス療法(メチルプレドニゾロン1 g/日3日間)を開始した.その後徐々に呼吸状態は改善し,第24病日,人工呼吸器より離脱した.第53病日の胸部CTでは肺炎像は著明に改善していた.血液検査・喀痰培養・気管支肺胞洗浄などの結果から感染による肺炎は否定的であり,ミリプラチンによる薬剤性肺障害の可能性が高いと考えられた.
  • 酒見 亮介, 垣内 誠也, 森光 洋介, 久保 保彦, 松垣 諭, 宗 祐人, 酒見 美幸, 下河辺 正行, 原田 大, 佐田 通夫
    2012 年 53 巻 5 号 p. 291-297
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/06
    ジャーナル フリー
    外傷後のケロイド治療及び術後のケロイド予防目的に対してトラニラスト(リザベン)を服用した2例の男性患者が内服終了後の約3週目より黄疸が出現し来院した.臨床所見ならびに検査所見などから2例ともトラニラストの薬物性肝障害を強く疑われ,ウルソデオキシコール酸(UDCA)製剤を内服したが,減黄を認めなかった.トラニラストにより,胆汁分泌機能の役割を担うビリルビントランスポーターに障害を来たしたと考え,我々はこれら2症例に対してツムラ135番(茵陳蒿湯®)を投与したところ著明に改善した.遷延する黄疸に茵陳蒿湯が有効であった症例を経験したので若干の考察を加えて報告する.
短報
速報
  • 関本 匡, 丸山 紀史, 近藤 孝行, 嶋田 太郎, 高橋 正憲, 亀崎 秀宏, 横須賀 收, 嶺 喜隆
    2012 年 53 巻 5 号 p. 302-303
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/06/06
    ジャーナル フリー
    Fly Thru (Toshiba) is a novel technology which visualize surface image of the organ using volume data. It has originally developed to observe the inner structure or wall of the lumen, such as bile duct, vessels and gastrointestinal tract. In the present study, we utilized it to visualize the liver surface in 12 patients with ascites, as a unique application. Fly Thru could demonstrate the distinct difference of liver surface appearance between non-cirrhotic liver (n=4) and cirrhosis (n=8), the former with smoothly-shaped appearance and the latter with apparent irregularity. The diagnostic ability was confirmed by blind review with excellent agreement (κ1.0). Fly Thru may have a potential to diagnose diffuse liver disease non-invasively, acting as "Virtual laparoscopy".
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