肝臓
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原著
肝細胞癌に対するソラフェニブの副作用と治療継続性に関する検討
小森 桂子望月 千枝桝 喜惠長谷川 徳子石原 朗雄榊原 充今中 和穗大川 和良松永 隆片山 和宏
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2013 年 54 巻 4 号 p. 249-256

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抄録

進行肝細胞癌患者21例に対しソラフェニブ治療開始決定時より多職種で副作用モニタリングを実施し,副作用発現時期および重篤度と治療の継続性との関連について検討した.年齢中央値は76歳,男性は18例,女性は3例,ソラフェニブ1日平均服用量は406 mg/day,生存期間中央値は13.4カ月,副作用発現率は95%であった.4週以内の主な副作用は手足皮膚反応と血圧上昇で4週以降は疲労・倦怠感と下痢であった.副作用による休薬は48%,減量は43%で見られたが,いずれも治療は再開や継続が可能であった.副作用による治療中止は29%で見られ,手足皮膚反応での中止例はなく,全て4週以降に発現した疲労・倦怠感が原因だった.ソラフェニブ治療の副作用として手足皮膚反応が注目されているが,4週以降の疲労・倦怠感がコントロール困難で,治療中止の主な理由であったことは本治療を行う上での今後の課題である.

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© 2013 一般社団法人 日本肝臓学会
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