肝臓
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症例報告
成長ホルモン分泌不全症による非アルコール性脂肪肝炎の1例
柴田 大介新垣 伸吾前城 達次佐久川 廣青山 肇植田 玲外間 昭藤田 次郎
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2014 年 55 巻 11 号 p. 677-682

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抄録
症例は23歳女性.成長ホルモン分泌不全症の既往がある.2010年8月から肝機能障害の悪化が認められ精査目的に当科に紹介となった.肥満は認められなかったがCTで著明な脂肪肝が認められ,成長ホルモン分泌の指標であるinsulin like growth factor-1(IGF-1)が25 ng/ml(基準値119-389 ng/ml)と低値であった.肝生検を行いAdult growth hormone deficiency(AGHD)によるnon-alcoholic steatohepatitis(NASH),Bruntの分類Grade 1,Stage 1と診断した.治療として成長ホルモンの補充療法を行い,肝機能の改善が認められた.AGHDのNASHでは通常の生活習慣病にともなうNASHと違い成長ホルモンの補充療法が重要な治療の選択肢の一つであると考えられた.
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© 2014 一般社団法人 日本肝臓学会
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