肝臓
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症例報告
HIV感染症例におけるHBV重複感染の臨床的検討
世古口 悟木村 浩之中村 英樹中野 貴博川上 巧中津川 善和山田 真也鈴木 隆裕戸祭 直也佐藤 秀樹奥山 祐右吉田 憲正大野 聖子
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キーワード: HIV, HBV, ワクチン, 重複感染, CD4
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2015 年 56 巻 8 号 p. 435-439

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抄録

HIV感染者におけるHBV重複感染者についてHBVワクチンの有用性を含め検討を行った.HIV抗体陽性74例中HBs抗原陽性は8例あり,4例は自然経過でHBs抗原が陰性化したが4例は持続陽性化している.HBs抗原陰性66例のうち49例でHBs抗体およびHBc抗体の測定を行ったが,HBs抗体またはHBc抗体のいずれかが陽性の割合は63.3%で,HBV-DNAは測定を行った20例全例で検出感度以下であった.HBs抗体陰性例のうち8例にHBVワクチン(ビームゲン®)の3回接種を行い,6例でHBs抗体が陽転化した.HIV感染者において,HBV重複感染の予防目的に,HBVワクチン接種は積極的に推進していく必要があると考えられた.

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© 2015 一般社団法人 日本肝臓学会
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