肝臓
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症例報告
猫咬傷を契機にPasteurella腹膜炎をきたした肝硬変の1例
野下 祥太郎吉岡 航窪津 祥仁村山 賢一郎秋山 巧高橋 宏和安西 慶三江口 有一郎
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2017 年 58 巻 9 号 p. 504-509

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抄録

症例は43歳女性.2009年にアルコール性肝障害を指摘されていたが,その後も飲酒を継続し,病院受診や治療はしていなかった.2016年5月に腹部膨満感,呼吸苦,嘔吐,下痢を主訴に救急搬送され,当科に入院した.来院時左手背の熱感と発赤,腫脹を認めており,受診4日前に飼い猫に左前腕を噛まれていたことを聴取した.蜂窩織炎など細菌感染症の可能性を考え,抗生剤投与を開始した.来院時に採取した血液培養と腹水培養でPasteurella multocidaが検出され,同菌による菌血症及び腹膜炎と診断した.

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© 2017 一般社団法人 日本肝臓学会
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