2018 年 59 巻 3 号 p. 180-186
症例は68歳,男性.発熱,心窩部痛を主訴に近医を受診し,肝膿瘍,播種性血管内凝固症候群(DIC),門脈血栓症と診断され当院へ転院となった.前医にてメロペネムが投与されるも改善傾向を認められなかったが,当院入院時の血液培養検査にてClostridium difficile(C. difficile)が検出され,メトロニダゾール内服を開始したところ速やかに改善した.肝膿瘍および便からもC. difficileが検出され,PCR-ribotypingで全て同一菌株と同定された.血液培養検査でC. difficileが検出されたため早期にメトロニダゾールの投与を開始でき,治癒が得られた肝膿瘍症例を経験した.広域抗菌薬に対する反応が悪い肝膿瘍に対しては,原因菌としてC. difficileも念頭に診断・治療を進めることが必要である.