2018 年 59 巻 3 号 p. 187-193
症例は60歳代・女性.健診にて腹部MRIを施行し,肝S6に腫瘤を指摘され精査目的に紹介となる.当院の腹部超音波にて肝S6に36 mm大の境界のやや不明瞭で均一な高エコー腫瘤として認め,内部には小囊胞を数個有していた.dynamic study CTでは動脈相で血管と同程度の強い濃染を呈し,門脈相まで造影効果は遷延した.血管造影検査を行いCTHA1相目で境界明瞭に腫瘍実質が均一に濃染し2相目ではcoronaは認めず造影効果が残存していた.single level dynamic CTHAでは腫瘍内部に点状の血管影が出現した後に腫瘍全体が徐々に濃染した.腫瘍内の毛細血管へ造影剤が流入する像であると考えられ毛細血管性血管腫を疑った.超音波下肝生検にてCD34およびFactor VIII陽性の毛細血管集簇巣を認めた.以上より肝毛細血管性血管腫と診断し経過観察となった.
肝毛細血管性血管腫は稀な良性腫瘍であり,画像検査での診断が困難なため手術を施行された例を散見する.今回,single level dynamic CTHAにて特徴的な像を捉えた症例を経験し報告する.