肝臓
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症例報告
ステロイドパルス療法を施行した遺伝子型IIIAの重症型A型急性肝炎の1例
道免 和文田中 博文小野原 伸也石井 孝司高橋 和明下田 慎治
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2018 年 59 巻 9 号 p. 481-487

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抄録

症例は64歳男性.倦怠感,発熱を主訴に近医を受診し,肝障害を認めたため,当科に紹介入院となった.2週間ほど前に生牡蠣を喫食した生活歴があった.受診当日は総ビリルビン(TB)1.67 mg/dl,AST 1870 IU/l,ALT 1042 IU/l,PT 77.6%の肝障害を認めた.入院第2日目にはTB 3.02 mg/dl,AST 5400 IU/l,ALT 2945 IU/l,PT 47.0%と肝機能は急速に増悪し,この時点でA型急性肝炎と判断した場合の予測劇症化率は13.5%であり,入院第2日目よりステロイドパルス療法を開始した.同療法は奏効し,肝機能は改善した.急性肝障害の原因はA型肝炎ウイルス(HAV)感染と判明した.HAVのgenotypeはIIIAで,クラスターの比較からは近年の流行をみせている韓国株ではなく,南アジアで流行している株と判明した.

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© 2018 一般社団法人 日本肝臓学会
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