肝臓
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症例報告
マカダミアナッツ多量摂取を契機に発症した劇症肝炎の1例
柴田 昌幸高森 頼雪江川 優子山口 智央中川 慧人中村 めぐみ大江 啓史成田 圭田中 由理子小林 倫子三科 友二三科 雅子明石 雅博笹本 貴広土屋 昭彦西川 稿横田 亜矢杉谷 雅彦滝川 一山中 正己
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2021 年 62 巻 5 号 p. 327-332

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抄録

症例は38歳女性.X月1日に友人との食事会でマカダミアナッツを多量に摂取した.翌日から悪心・嘔吐が出現し,徐々に倦怠感,褐色尿,皮膚黄染も伴ってきた.症状改善ないためX月9日に前医受診し,急性肝炎と診断され入院.各種ウイルスマーカーや自己抗体は陰性で,画像検査で器質的異常も認めず入院後も肝機能は増悪した.X月15日に当院転院し,PTが40%未満に低下したためステロイドパルス療法を開始したが,意識障害も出現し状態は悪化した.血漿交換および持続緩徐式血液濾過透析を施行し,計6回の血漿交換後より肝機能は正常化傾向となった.集中治療を脱し,状態が安定してから肝生検を施行したが非特異的な組織像であり,マカダミアナッツのリンパ球刺激試験を実施したところ強陽性で薬物性肝障害と診断した.治療離脱後も問題なく経過し,第46病日に退院となった.食品から劇症肝炎に至り救命された症例は極めてまれであり報告する.

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© 2021 一般社団法人 日本肝臓学会
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