症例は64歳,男性.過去の健診でビリルビン高値の指摘あり.家人に黄疸を指摘され,前医を受診,AST 1526 U/l,ALT 2058 U/lと肝障害を認め入院,ビリルビン上昇も伴っていたが,PT正常で急性肝不全には陥っていなかった.HEV RNA陽性が判明,肝生検で急性肝炎像を呈しており,急性E型肝炎として保存的加療となった.Transaminseは低下,PTも正常範囲を維持,HEV RNA陰性化したが高ビリルビン血症悪化,第75病日に転院.急性腎不全を合併,消化管出血,更に細菌性・真菌性敗血症を合併し,第169病日に死亡した.病理解剖にて,肝臓は萎縮もなく,肝細胞壊死や肝線維化は軽度で強い胆汁栓を認める所見であった.肝合成能は維持されるも胆汁うっ滞が遷延し,全身合併症により死亡したと考えられ,移植適応をどう考えていくかを含めて示唆に富む症例であり,報告する.