肝臓
Online ISSN : 1881-3593
Print ISSN : 0451-4203
ISSN-L : 0451-4203
症例報告
急性肝不全に陥ることなく致死的経過を辿った急性E型肝炎の1例
山内 菜緒, 安中 哲也, 高木 章乃夫, 日並 義統, 木野村 賢, 河原 明奈, 足立 卓哉, 大山 淳史, 和田 望, 竹内 康人, 大西 秀樹, 白羽 英則, 岡田 裕之
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 62 巻 8 号 p. 463-470

詳細
抄録

症例は64歳,男性.過去の健診でビリルビン高値の指摘あり.家人に黄疸を指摘され,前医を受診,AST 1526 U/l,ALT 2058 U/lと肝障害を認め入院,ビリルビン上昇も伴っていたが,PT正常で急性肝不全には陥っていなかった.HEV RNA陽性が判明,肝生検で急性肝炎像を呈しており,急性E型肝炎として保存的加療となった.Transaminseは低下,PTも正常範囲を維持,HEV RNA陰性化したが高ビリルビン血症悪化,第75病日に転院.急性腎不全を合併,消化管出血,更に細菌性・真菌性敗血症を合併し,第169病日に死亡した.病理解剖にて,肝臓は萎縮もなく,肝細胞壊死や肝線維化は軽度で強い胆汁栓を認める所見であった.肝合成能は維持されるも胆汁うっ滞が遷延し,全身合併症により死亡したと考えられ,移植適応をどう考えていくかを含めて示唆に富む症例であり,報告する.

著者関連情報
© 2021 一般社団法人 日本肝臓学会
前の記事 次の記事
feedback
Top