肝臓
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症例報告
流出静脈の早期描出を認め,肝血管筋脂肪腫との鑑別を要した脂肪変性を伴う中分化型肝細胞癌の1例
吉住 有人久保木 知高屋敷 吏江藤 亮大郎那須 克宏近藤 孝行大塚 将之
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2023 年 64 巻 12 号 p. 624-631

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抄録

症例は70歳代,女性.C型肝炎のSVR後の経過観察中に肝腫瘤を指摘された.精査の造影CTおよび造影超音波検査では早期相で造影効果を示し,後期相でwash outを呈する27 mm大の腫瘤を認めたが,中肝静脈に流入する流出静脈の描出を認めたため肝血管筋脂肪腫(angiomyolipoma:AML)と診断し経過観察の方針とした.3カ月後の造影CTでは腫瘤は47 mm大と増大し,流出静脈を認めなくなったため肝細胞癌の可能性を考えて左肝切除術を施行した.病理組織学的検査では腫瘍細胞が中索状に増殖し脂肪変性を認め,中分化型肝細胞癌と診断された.流出静脈の早期描出は肝AMLに特徴的で,脂肪変性を伴う肝細胞癌との鑑別診断に有用とされる.一方,流出静脈の早期描出を認める肝細胞癌の報告例は自験例が初めてであり,脂肪変性を伴う肝細胞癌と肝AMLをより正確に診断するためには今後さらなる症例の集積が必要である.

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© 2023 一般社団法人 日本肝臓学会
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