2025 年 66 巻 12 号 p. 526-532
症例は19歳男性.3歳時に完全大血管転位,肺動脈狭窄,僧帽弁右室嵌入に対してFontan手術施行後,定期検査の腹部超音波検査で肝腫瘤を指摘された.腹部ダイナミックCT,Gd-EOB-DTPA造影MRIでは肝細胞癌に類似した画像所見を呈し,経皮的肝生検を行った.病理診断の結果,肝細胞癌は否定的であり5年間著変なく経過している.Fontan-associated liver disease(FALD)はFontan術後に起こりうる重篤な合併症の一つであるが,肝細胞癌とその他の結節の鑑別に苦慮することも多い.FALD診療における多血性肝腫瘍の診断とサーベイランスについて考察する.