経皮的に脾内に99mTcO4-を注入し,シンチカメラにて観察する方法であるScintiphotosplenoportographyにRIデータ処理装置を用いることにより,肝硬変症等35例について門脈血流速度,脾肝循環時間の測定を行なった.門脈血流速度は,脾静脈あるいは門脈上に同時に2カ所関心領域を設定し,両者間の距離をRI bolusが両者間を通過するに要する時間で除して求めた.脾肝循環時間は,脾と肝右葉におけるRI希釈曲線のピークに達する時間差より求めた.門脈血流速度,脾肝循環時間は,対照群9.78cm/秒,2.67秒,慢性肝炎群7.80cm/秒,3.45秒,肝硬変群4.39cm/秒,4.72秒と肝硬変症では,対照群,慢性肝炎群に比し門脈血流速度は明らかに低下し,脾肝循環時間も延長していた.