肝臓
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原発性胆汁性肝硬変の肝内胆管系に関する形態学的研究
II 連続切片法による早期PBCの肝内胆管崩壊の観察
中沼 安二太田 五六
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1976 年 17 巻 11 号 p. 809-819

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抄録

原発性胆汁性肝硬変は形態学的には,肝内小葉間胆管の進行性の崩壊に特徴づけられる.2例の早期PBCの辺縁肝生検を材料として,小葉間胆管が崩壊する際に,どのような形態学的変化を示すかを連続切片法を用い検索した.
小葉間胆管が崩壊する際に,3種の形態学的変化がみられた.1. 胆管周囲に細胞反応を伴うもの(小円形細胞,類上皮肉芽腫),2. 胆管周囲に浮腫を伴うもの,3. 胆管周囲に軽度の線維化がみられたり,特別の変化がみられないもの.そして胆管内腔の嚢状拡張もしくは細小化が,これらの病変に随伴することがある.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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