1976 年 17 巻 11 号 p. 809-819
原発性胆汁性肝硬変は形態学的には,肝内小葉間胆管の進行性の崩壊に特徴づけられる.2例の早期PBCの辺縁肝生検を材料として,小葉間胆管が崩壊する際に,どのような形態学的変化を示すかを連続切片法を用い検索した.
小葉間胆管が崩壊する際に,3種の形態学的変化がみられた.1. 胆管周囲に細胞反応を伴うもの(小円形細胞,類上皮肉芽腫),2. 胆管周囲に浮腫を伴うもの,3. 胆管周囲に軽度の線維化がみられたり,特別の変化がみられないもの.そして胆管内腔の嚢状拡張もしくは細小化が,これらの病変に随伴することがある.