肝臓
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慢性日本住血吸虫症における脾腫の統計的観察(3)
エストロゲンを中心に
前田 淳市岡 四象井内 正彦
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1976 年 17 巻 11 号 p. 832-836

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抄録

われわれは慢性日本住血吸虫症患者の血中エストロゲン値を測定し,脾腫の有無と共に検討を加えた.
1) 脾腫の発生は肝硬変を呈する男性,肝線維症を呈する女性に多い傾向がみられた.
2) 血中エストロゲン値は肝硬変および肝線維症を呈するものに高値を示し,慢性肝炎を呈するものは全例とも正常範囲内であった.
3) 脾腫のみられるものの血中エストロゲン値は脾腫のみられないものより高値を示すものが多く,肝硬変群では脾腫のみられる男女に,肝線維症群では脾腫のみられる青壮年の女性に高値を示すものが多かった.
4) 妊娠回数との関係では肝硬変群では関連はうすかったが,肝線維症群では妊娠回数の多いものほど脾腫のみられるものが多く,血中エストロゲン値も高いものが多かったが,今後,検討を要するものと思われる.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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