肝臓
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結婚を契機にchronic HBsAg carrierの夫から感染し死の転帰をとった劇症肝炎の1例
小畠 正夫小島 峯雄足立 信幸天野 和雄亀谷 正明川出 靖彦宇土 一道清水 勝高橋 善弥太
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1977 年 18 巻 3 号 p. 196-201

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抄録

HBs抗原持続陽性の夫から感染し,結婚後3カ月で発症したと思われる劇症肝炎の1例を経験したので報告する.症例は23歳,女性.黄疸,輸血,アルコール常用等の既往はなく,家族にも黄疸および肝疾患は認めない.発症前3カ月に結婚.昭和51年1月13日,感冒様症状出現.18日より黄疸,意識障害をきたし,19日当科入院.HBs Ag陽性.入院後4日目に死亡.剖検にて広範な肝細胞壊死と出血を認めた.ところで,夫はHBs Ag陽性の肝硬変として入院加療を受けたことがあり,e抗原も陽性だったため家族調査を施行したところ,母親および検索し得た同胞はすべてHBs Ag陽性で母親にはe抗原も証明した.以上より夫から妻(症例)への水平感染が推定される劇症肝炎の1例と考えた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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