肝臓
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肝炎に於ける肝組織内Tリンパ球の酵素抗体法による検討
豊川 秀治内田 實柄沢 勉川生 明志方 俊夫上野 幸久
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1980 年 21 巻 2 号 p. 146-155

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抄録
抗ヒト胸腺細胞血清を用いての酵素抗体間接法により肝生検組織のホルマリン固定パラフィン切片上でTリンパ球の細胞膜を明瞭に染色し得た.急性肝炎3例,慢性肝炎20例,肝硬変6例,その他2例計31例でのTリンパ球の検索の結果,大部分の症例において門脈域は勿論のこと肝小葉内でもTリンパ球が浸潤している全リンパ球の中で優位を占めていた.さらに,慢性肝疾患ではTリンパ球が変性壊死肝細胞に接触し,ないしはそれらを取り囲む像が小葉内肝細胞壊死の部にもpiecemeal necrosisの部にも認められた.このことは肝炎における肝細胞壊死の発生にTリンパ球が重要な働きをしていることを示す所見と考えられる.すなわち,肝疾患,特に慢性肝疾患における肝細胞壊死の発生機序の解明上Tリンパ球が重要な位置を占めていることを組織学的に実証し得たと考える.
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© 社団法人 日本肝臓学会
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