肝臓
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ダブルバルーンカテーテルを用いた肝静脈造影の実験的研究
稲垣 豊天野 泉加納 英行
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キーワード: 肝静脈造影
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1980 年 21 巻 2 号 p. 170-177

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抄録

Three-lumen, two-balloon catheterを試作し,雑種犬において肝静脈造影を行なうとともに,その安全性について検討した.肝静脈開口部の上下で下大静脈を確実に閉塞できれば,鮮明な肝静脈造影およびsinusoidal filingを得る事ができる.2つの別のcatheter(一方は先端をballoon間に来る様に下大静脈に留置し,他方は門脈にcatheterを留置する)で,造影時および単に上下のballoonで下大静脈を閉塞させた時の圧をmonitorした.balloon間の圧および門脈圧は極めてよく相関して変動した.balloon間に加わる圧はsinusoidを通じて門脈に逃げ,広い門脈系で緩衝されると推察された,従来の方法に比べ更に小さいtumor, cysteの発見およびfibrosisの程度が診断可能であり,比較的安全な検査法と思われる.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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