抄録
われわれは最近,結婚後50日目に発症し,全経過9日で死亡したいわゆるHoneymoonhepatitisの劇症化と考えられる1症例を経験した.症例は27歳女性,家族歴では姉に急性肝炎の既往があり,既往歴には特記することはない.現病歴,昭和53年10月29日結婚,昭和53年12月17日,誘因なく嘔気,心窩部鈍痛,発熱を来たし,翌日,黄疸出現,当科入院となった.入院時検査で,GOT 3530U, GPT 2728U, HBsAg×210, AntiHBs(-),e抗原(-),e抗体(-),HBs抗原subtypeはadrであった.入院後間もなくして意識障害出現,交換輸血,Glucagon-Insulin療法を行ったが12月25日死亡した.necropsyではmassive liver cell necrosisであった.一方,夫は,自覚症状はないが,GOT 92U, GPT 166U, HBsAg×211, e抗原(-),e抗体(-),HBs抗原subtypeはadrで妻と同型であった.以上より,本症例は,慢性肝炎の夫からの水平感染によるHoneymoon hepatitisの劇症化症例と推定された.