肝臓
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脂肪肝における血清コリンエステラーゼ活性上昇の意義
岩村 健一郎松崎 松平板倉 勝
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1980 年 21 巻 7 号 p. 823-829

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抄録
脂肪肝高度群41例,軽度群30例,計71例について,血清コリンエステラーゼと,肝組織所見及び臨床検査成績の対比を行つた.ChEの上昇は,高度群80%,軽度群60%の高率にみとめられ,前者の平均値は5,311U/lと後者の4,748U/lに比し有意に高値を示した.その上昇度には,飲酒習慣,糖尿病の合併の有無による差はみられなかった.ChE上昇に伴い,高脂血症,高リポ蛋白血症,高アルブミン血症が高率にみられた.本症における131I-RISA半減期は8.2日と軽度短縮を示し,ChEアイソザイムは正常型であった.以上より,ChE上昇は蛋白異化低下によるものではなく,リポ蛋白合成亢進に随伴した合成亢進によることが示唆された.ChE上昇と共にトランスアミナーゼ,γ-GTPも上昇していたが治療後は,全て改善低下した.ChEは脂肪肝の診断に極めて有用であるとともに,その病態の解析にも役立つことを述べた.
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© 社団法人 日本肝臓学会
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