抄録
1. 経静脈ブドウ糖負荷後,門脈血インシュリンはほぼ2分,15分から90分に頂値をもつ二相性の分泌を示した.末梢静脈血インシュリンもほぼ二相性の分泌を示した.
2. 耐糖能の示標であるKG値は,門脈血IRI AUC060によって表わされたインシュリン分泌量より(門脈血IRI AUC060―末梢静脈血IRI AUC060)によって表わされたインシュリン消費量とより強い相関を示した.
3. (門脈血IRI AUC060―末梢静脈血IRI AUC060)/(門脈血IRI AUC060)×100で表わされるインシュリン除去率は肝内短絡率と有意の相関を示したが,肝外短絡率とは相関しなかった.以上より肝内短絡発生に基づく,インシュリン代謝の減少は,慢性肝疾患,特に肝硬変患者にみられる耐糖能低下の成因の重要な1つの因子と考えられる.