肝臓
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抗HB免疫グロブリンとHBワクチンの併用によるHBウイルス母児間感染の予防
金井 弘一玉腰 勝敏賀古 真竹広 晃西田 光宏五十嵐 良雄能登 裕志川島 吉良寺島 綾子豊川 秀治大堀 兼男松下 寛岡田 和親清水 勝
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1983 年 24 巻 6 号 p. 620-626

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抄録

HBe抗原陽性の妊婦から出生した児38例に出生後2時間以内にHBIG・F(ab')2 150mgを静注し,以後HBIG 1mlの皮下注にて児の血中HBs抗体価を維持した.生後3カ月(一部は6カ月)よりHBワクチンの併用を開始した. HBワクチンは1回1mlずつ1カ月間隔で3回投与し,3回の投与で能動免疫が成立しない症例には以後2カ月間隔でワクチンの追加投与を行なった.HBIG投与により経胎盤感染2例および脱落3例を除く全例で児のキャリアー化が防止されている.
HBワクチンを3回以上投与された23例の能動免疫獲得率は78.3%で,ワクチンの平均投与回数は3.4回であった.
HBIGあるいはHBワクチンによる副作用は認められなかった.HBIGとHBワクチンの併用はHBウイルス母児間感染の予防に有効かつ安全な方法と考えられる.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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