1983 年 24 巻 6 号 p. 627-632
Triton X-100を含む2種類の灌流液を用い肝を灌流後電顕用に固定し,ラット肝細胞cytoskeletonを観察した.さらにラット体重1kg当り5gのエタノールを投与し,ラット肝細胞cytoskeletonとくにmicrotubules (MT)とintermediate filaments (IFs)の変化の有無を検討した.2種類の灌流実験にて肝細胞のMTとIFsは明瞭に観察しえたがmicrofilamentの観察は困難であった.エタノールのラット体重当り5g/kgの投与の急性実験では,コントロールに比し肝細胞cytoskeletonとくにMTとIFsには超微形態上,形,長さ,直径,数に著変を認めなかった.