肝臓
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Interferon-γとpolyprenoic acidの併用によるヒト肝癌細胞増殖抑制効果についての検討
山崎 隆弘沖田 極黒川 典枝古川 哲也新開 泰司安永 満小西 知己福本 陽平竹本 忠良佐々木 功典
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1988 年 29 巻 11 号 p. 1489-1495

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抄録

ヒト肝癌細胞株HuH-7細胞に対するInterferon-γ(IFN-γ)単独投与およびpolyprenoic acid(E5166)併用における抗腫瘍効果について検討した.in vitroでは,IFN-γ1×103~1×104IU/ml投与でも,ほとんど肝癌細胞の増殖抑制は認めず,E5166を併用することにより,著明な増殖抑制を認めた.ヌードマウス移植肝癌において,IFN-γ単独投与群とE5166併用群の4群を作成し,各群とも2週間連日投与し,growth rateを検討した.その結果,E5166併用を行わなくても,IFN-γを高濃度にすれば,単独投与でも十分な腫瘍の増殖抑制効果を認めた.in vitroとin vivoでの検討の違いは,培養という条件下と生体という条件下におけるIFN-γの作用の差が示唆された.以上の事実より,IFN-γの大量投与は,肝細胞癌治療に対して有効と考えられた.また,E5166との併用による相乗効果も示唆された.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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