肝臓
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血漿由来HBVワクチン中のPre-S1, Pre-S2ペプタイド及びPre-S1, S1抗体産生能についての検討
伊藤 よしみ小俣 政男横須賀 収林 なほ子大藤 正雄
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1988 年 29 巻 9 号 p. 1165-1170

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抄録

各種HBVワクチンのPre-S1, S2ペプタイドの存在及びそれらの抗体産生能をWestern blot法を用い検討した.3社の血漿由来ワクチン及び1社の組換え酵母菌ワクチンのうち1社の血漿由来ワクチンee Pre-S1, S2ペプタイドが多量に検出された.さらにこのワクチン接種者にのみ,HBs抗体の出現した72名中17名(23.6%)にPre-S1, S2抗体を認めた.Pre-S1,S2抗体の陽性群17名,陰性群55名でHBs抗体の力価を比較すると陽性群が有意に高かった.
血漿由来ワクチンはPre-Sペプタイドを含んだものは少なく,Pre-S抗体産生について疑問がもたれていたが,今回の検索にて一部の血漿由来ワクチンにも十分なPre-S1, S2ペプタイドが含まれかつ,Pre-S1, S2の抗体産生能が認められた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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