肝臓
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肝炎自然発症Long Evans Cinnamon (LEC)ラットの長期生存例における慢性肝炎から肝癌への進展
波江野 力武市 紀年小中 重夫伝法 公麿森 道夫内野 純一小林 博
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1989 年 30 巻 6 号 p. 622-631

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抄録

肝炎自然発症LEC (Long Evans Cinnamon)ラットの長期生存例が,慢性肝障害(慢性肝炎)から肝癌自然発生に至る過程をLEA (Long Evans Agouti)ラットを対照として諸化学検査および病理組織学的に検索した.
その結果,LECラットは有意の高頻度で貧血を合併するとともに腎機能の異常も認められ,免疫能の低下も示唆された.肝機能は臨床生化学的に慢性肝障害型であり,組織学的には斑状肝細胞壊死像と再生小型肝細胞をみる慢性肝炎像であった.しかもLECラットの肝発癌過程には,化学発癌過程と同様なoval cells, hyperplastic foci, hyperplastic nodulesが認められ,生後18ヵ月齢以降のLECラットは全例で肝細胞癌を自然合併した.
以上の結果から,長期生存LECラットが慢性肝炎から肝癌に移行していく過程が諸化学検査および病理組織学的に確認された.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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