肝臓
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非溶血性高間接型ビリルビン血症に,BSPおよびICG負荷試験の著明な停滞を伴った肝硬変合併肝癌の1切除例
鬼束 惇義尾関 豊日野 晃紹渡辺 敬千賀 省始阪本 研一林 勝知広瀬 一香田 弘司足立 定司武藤 泰敏
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1990 年 31 巻 10 号 p. 1218-1222

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抄録

症例は48歳の男性で,24歳時に肝炎の既往があり,7年前から肝機能検査の異常を指摘され,US, CTにて肝右葉の腫瘤を認められ入院した.血清総ビリルビン2.3mg/dl,間接型ビリルビン1.6mg/dlで間接型優位の軽度高ビリルビン血症と,GOT, GPTの軽度上昇を示した.Child分類ではAであったが繰り返し施行したICGの15分停滞率はそれぞれ82%, 76%,血中消失率は0.017, 0.016であり,BSPの45分停滞率は40%と著しい高値を示した.肝硬変合併肝癌と診断されたが,血清ビリルビン,ICG, BSPの異常は他の肝機能検査所見と著しく解離しており,これらは色素排泄異常によるものと考え,S8の部分切除を施行した.BSPおよびICGが高度の異常を示した高間接型ビリルビン血症の報告は少なく,肝癌を合併したものは本報告例のみである.これに対して肝切除を施行し良好な結果が得られたので,文献的考察を加え報告した.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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