肝臓
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巨大胃腎短絡路を有する肝性脳症を経皮経肝的短絡路塞栓術により治癒せしめた1例
小山 秀彦齊藤 正明崔 世浩角田 隆文佐藤 重明大藤 正雄
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1990 年 31 巻 6 号 p. 694-698

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抄録
巨大胃腎短絡路を有し,肝性脳症を呈した上腹部手術歴のある慢性肝炎の症例に経皮経肝的短絡路塞栓術を施行し,肝性脳症を治癒せしめた.術前後の比較により,血中アンモニア値,血中アミノ酸分析(Fischer比),プロトロンビン時間などの血液生化学検査所見,およびICG試験(15分値,K値),脳波所見の改善,また肝血流量の改善も認めた.術後の門脈圧の上昇は29%にとどまり,手術にともなう合併症はまったくみられなかった.術後1年後も脳症はみられず良好な経過をたどっているのでここに報告する.
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© 社団法人 日本肝臓学会
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