肝臓
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C型慢性肝炎に対するIFN-β1日2回投与およびIFNα-2b併用療法の有効性
奥新 浩晃森井 和彦貴志 文俊湯浅 志郎
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1997 年 38 巻 1 号 p. 11-18

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抄録

HCV-RNA半定量法 (シオノギ) 4+ 8例, 5+ 10例の計18例のC型慢性肝炎に対し, IFN-β1回3MIU 1日2回投与4週間に引き続きIFNα-2b 10MIU 14週間, 総計18週間のIFN-β, α併用療法を投与の基本骨格とし, その有効性を検討した.
IFN-β1日2回投与中はGPTの上昇傾向とともに, 血小板減少が進行性であり, また18例中8例に蛋白尿が陽性を示したことから, これらの因子が投与継続の期間を規定すると思われたが, いずれもIFNα-2b変更後は改善を示した.
IFN-β投与開始後2週の時点で, 18例全例にHCV-RNA (nested RT-PCR法) 陰性化が得られ, さらに, IFN投与終了後のウイルス学的治癒 (CR) は完全施行できた17例中14例 (82.4%) と高率であった. HCVウイルス量およびGenotype別の検討では, IFN-β1日2回投与およびIFNα-2b併用療法は, HCV-RNA定量法 (Roche) 別には150K copies/ml以下, あるいはGenotype別には2a, 2b型のC型慢性肝炎に対し有効な投与方法となり得るものと思われた.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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