肝臓
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漢方薬による肝障害に対する薬物性肝障害診断基準の感度と特異度
萬谷 直樹小暮 敏明貝沼 茂三郎嶋田 豊寺澤 捷年
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2004 年 45 巻 7 号 p. 345-349

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抄録

漢方薬による肝障害に対する新しい薬物性肝障害診断基準 (International Consensus Meeting 診断基準および3つのDDW-J案) の感度と特異度を検討した. 1979~1999年の和漢診療部の2496枚の入院サマリーを調査し, 漢方薬による肝障害がたとえ一時的にでも疑われた30症例を抽出し, 漢方薬との関連を再検討した. definitely unrelated と判定された8例が各診断基準の特異度の判定のために使用され, probably related 2例と definitely related の4例が感度の判定に使用された. 感度はいずれの診断基準も100%であったが, 特異度についてはいずれも低く, 特にDDW-J診断基準の原案では25%と極端に低い特異度であった. DDW-J診断基準は漢方薬服用と肝障害との関連を診断するには不向きである可能性が示唆された.

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© 社団法人 日本肝臓学会
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