抄録
ハウス栽培のコマツナとシュンギクにおいて各種害虫の発生消長およびネット被覆と太陽熱利用による防除効果を2003年に調査した。処理区では目合1mmの銀色ネットでハウスサイドと出入口を被覆するとともに,栽培終了毎に農業用透明ポリフィルムで地表面を被覆し,太陽熱利用により地温を上昇させた。その結果,コマツナでは5月にハモグリバエ類,8~9月にキスジノミハムシ,4~6月,8月,11月に鱗翅類,4~5月にチャコウラナメクジの被害が多く,ハモグリバエ類および大型鱗翅類ではネット被覆と太陽熱利用による防除効果が認められた。シュンギクでは4~5月にハモグリバエ類,6~7月にアザミウマ類,6~7月と11月に鱗翅類,4~5月にチャコウラナメクジの被害が多く,ハモグリバエ類,アザミウマ類,大型鱗翅類ではネット被覆と太陽熱利用による防除効果が認められた。処理区と慣行区で温湿度の推移に顕著な差はみられず,コマツナとシュンギクの生育や品質に対する温湿度の悪影響は認められなかった。また,コマツナとシュンギクとも処理区では慣行区より若干ではあるが殺虫剤延成分回数を削減できた。