関西病虫害研究会報
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原著論文
イチゴ炭疽病に対する各種殺菌剤の残効期間と防除体系
田口 裕美鈴木 啓史黒田 克利
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2012 年 54 巻 p. 53-59

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抄録

イチゴ炭疽病に登録されている12種類の殺菌剤をイチゴ苗に散布した後菌接種し,その防除効果から有効な殺菌剤を選抜した。2010年,2011年のイチゴ苗接種試験の殺菌剤散布7日後菌接種で,マンゼブ,プロピネブ,キャプタンの防除効果が高かった。さらに,2010年はアゾキシストロビンと有機銅が,2011年はフルジオキソニルの防除効果が高かった。一方,殺菌剤散布10日後菌接種で効果の高い殺菌剤はフルジオキソニルのみであった。
圃場試験の結果,マンゼブ,プロピネブ,キャプタン,有機銅の7日間隔の防除体系が,最も効果が高く,さらに27日後の枯死株率も7日間隔が最も低かった。
以上の結果から,イチゴ炭疽病に対する防除体系は,マンゼブ,プロピネブ,キャプタンを中心に7日間隔でローテーションを組み,有機銅,フルジオキソニルを臨機防除とすることが有効と考えられた。

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© 2012 関西病虫害研究会
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