抄録
これまで未利用であった非病原性Xanthomonas 属細菌について,カンキツかいよう病に対する防除利用への可能性を検討した。本菌はカンキツ葉では付傷部分に多く定着した。かいよう病菌を接種した鉢植え樹で本菌の散布によるかいよう病防除効果を調査したところ,菌濃度 108 cfu/ml で銅水和剤散布区と同等の防除効果を示した。圃場試験では,銅水和剤による発芽前防除と本菌による防除を組み合わせることで,かいよう病の発病を有意に抑制できた。6月までの防除に銅水和剤を使用し,7月以降本菌を利用した薬剤を使用することで,新たな微生物農薬を取り入れた,薬害発生の恐れのないかいよう病防除体系が構築できると考えられた。