関西病虫害研究会報
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原著論文
露地栽培ナスのミナミキイロアザミウマ,タバココナジラミおよびチャノホコリダニに対するスワルスキーカブリダニの放飼増強法の有効性
柿元 一樹松比良 邦彦井上 栄明中島 純伊藤 由香安部 順一朗太田 泉水谷 信夫大野 和朗山中 聡
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2016 年 58 巻 p. 33-40

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抄録
ナスで発生するミナミキイロアザミウマ(以下,ミナミキイロ),タバココナジラミおよびチャノホコリダニに対するスワルスキーカブリダニ(以下,スワルスキー)の放飼増強法の有効性について,2014年8~9月および2015年9~10月に露地栽培の条件下で評価した。2014年および2015年にスワルスキーをそれぞれ50頭/m2および25頭/m2の3回ずつ放飼した結果,スワルスキーのピーク時の個体数は2014年で最大約50頭/30葉,2015年で最大約30頭/30葉まで達した。両年において,放飼区でのミナミキイロおよびタバココナジラミ個体数は,スワルスキー放飼後に減少するか,あるいは常時低い水準で推移し,無放飼区に比べ有意に少なかった。また,チャノホコリダニの被害株率もスワルスキー放飼区では無放飼区に比べ有意に低かった。以上の2年間の放飼試験から,スワルスキーの放飼増強法は露地栽培のナスの主要害虫であるミナミキイロ,タバココナジラミおよびチャノホコリダニの3種の防除に有効であると考えられた。
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© 2016 関西病虫害研究会
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