抄録
土着天敵であるヒメハナカメムシ類への詳細な影響を明らかにするために天敵製剤であるタイリクヒメハナカメムシを土着のヒメハナカメムシ類のモデルとしてその生態的特性に対するピリフルキナゾン水和剤の影響を調査した。ピリフルキナゾン水和剤はタイリクヒメハナカメムシに対する生存および捕食行動にはほとんど影響を与えないが,羽化24以内の成虫に処理した場合,産卵開始までの期間が3日間,遅延した。このようにピリフルキナゾン水和剤はタイリクヒメハナカメムシの生態的特性に対する影響は少なく,土着天敵を活用した持続的な露地ナス栽培で使用可能であることが推察された。